2026年9月4日 ・ 読了目安 4 分
棚卸差異とは?原因と減らし方、対処の手順を解説
棚卸差異とは、帳簿(在庫管理システムやExcel上の数字)と、実際に数えた在庫数との間に生じるズレのことです。 差異そのものは珍しいものではなく、手作業で在庫を扱っている限り一定数は必ず発生します。 大切なのは差異をゼロにすることではなく、差異が出たときにすぐ気づき、原因を潰していくことです。
棚卸差異が起きる主な原因
- 入出庫の記録漏れ: 忙しい時に「あとで記録しよう」として、そのまま忘れてしまう
- 誤出荷・返品の未反映: 実際は動いた在庫だが、システム上は反映されていない
- 破損・紛失: 検品や輸送中に壊れた・見当たらなくなった分が記録されていない
- 二重登録・入力ミス: 同じ入荷を2回登録した、桁を打ち間違えたなど
いずれも「記録するタイミング」と「実際に動くタイミング」がズレることで起きます。 記録の手間が大きいほど後回しにされやすく、差異も大きくなりがちです。
差異の大きさの目安
業種によって許容できる差異の水準は変わりますが、目安として次のような数字がよく参考にされます。
- ネットショップ(月商規模・SKU数十〜数百): 数量差異率 1%未満が目標水準。1〜3%は要注意、5%を超えると運用の見直しが必要
- 実店舗のバックヤード在庫: 棚卸のたびに数点のズレが出るのは通常運転。同じ品目で毎回差異が出る場合は特定の作業工程(検品・補充)を疑う
- ハンドメイド作家の材料在庫: 点数自体が少ないため差異1〜2個でも比率としては大きく出やすい。金額よりも「なぜ動いたか」の把握を優先する
棚卸差異が見つかったときの対処3ステップ
- 1差異のあった品目を洗い出す。全品目を見返すのではなく、ズレた品目だけをリストにする。
- 2差異の方向(帳簿より多い/少ない)と大きさを確認し、直近の入出庫記録・伝票と突き合わせて原因の見当をつける。
- 3原因が特定できたら記録を実数に修正し、同じ原因で繰り返し差異が出る工程(記録忘れが多い場面など)には運用のルールを1つ足す。
ここで詰まりやすいのが、「ズレた品目だけを抜き出す」作業そのものです。 Excelや紙の棚卸表だと、数百品目を数えたあと全行を目で見比べてズレを探すことになり、この確認作業だけで棚卸の後半を消費してしまうケースも珍しくありません。
よくある質問
Q. 棚卸差異は毎回どのくらい出るのが普通ですか?
A. 業種・品目数によって幅がありますが、手作業運用では数量差異率1〜3%程度は珍しくありません。目安として重要なのは絶対値よりも「毎回増えているか、減っているか」の推移です。
Q. 差異が出た分はどう処理すればいいですか?
A. 原則は実際に数えた数量に記録を合わせます(棚卸修正)。金額的に大きい差異は、原因(破損・紛失・盗難など)によって経理上の処理が変わることがあるため、顧問税理士に確認するのが確実です。
Q. 差異を完全にゼロにすることはできますか?
A. 手作業が介在する限り、ゼロにするのは現実的ではありません。目標は「ゼロ」ではなく「早く気づいて、同じ原因を繰り返さないこと」です。
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棚卸の手順自体から見直したい場合は「棚卸のやり方」もあわせてご覧ください。